「男をつかむなら、まず胃袋をつかめ！」っていう胃袋神話があります。男女の出会いから、恋愛が始まって、そして結婚するまでに、重要な局面は必ず食事のシーンでということになっています。男性の胃袋をつかむことは、とても大切なポイントだと思います。

よく結婚式のスピーチで使われる三つの大事な袋の話は知ってますか？一つ、堪忍袋（がまんすること）、二つ、給料袋（稼いで来ること）、三つ、胃袋（おいしい料理を作ること）。

その男性の胃袋をわしづかみにする、女性の定番料理はというと。まず、豚汁、ポテトサラダなどが思い浮かびますが、この二つの合わせ技が肉じゃがです。キングオブ定番料理‼

男性を落とすなら肉じゃが、若い女性を落とすのはミック・ジャガー

2016年盛夏の8月、私自身が還暦を迎えました。周囲はおめでたいことだと言うのですが、本人としては精神面では思春期から全く成長していないので、その現実と気持ちのギャップを受け入れることができなくて、もやもやした気分で誕生日を迎えました。加えて、その直前に体調を崩したこともあり、何だか元気もありませんでした。しかし年末に、ミック・ジャガーが73歳で8人目の子供のパパになった、というニュースを聞いて凄く元気が出ました。1943年生まれのミック・ジャガーは、今年73歳になりましたが、現在は独身で、彼女のメラニー・ハムリックは29歳のバレリーナです。そのメラニーが2016年12月8日、ニュー・ヨークの病院で男の子を出産しました。2人の元妻と数え切れない恋人たち、8人の子供、5人の孫、そしてひ孫にも恵まれたミックが今でもキラキラしているのでとても嬉しいです。

ミック・ジャガーなんて知らないっていう人のために、ミニ知識です。ミックはイギリスの伝説的ロック・バンド、ローリング・ストーンズのヴォーカルです。ストーンズは1960年代に結成されて現在も第一線で活躍している、数少ないバンドのひとつです。全世界でのアルバム総売り上げは、現在までで何と2億枚以上です。世界中に熱列なファンがいるので、バンドは今でも精力的に世界ツアーを行っています。

1959年のキューバ革命以来対立していた、アメリカとキューバの国交が回復したのが2015年のことです。カストロ政権はロックを禁止してきたので、コンサートもありませんでした。翌2016年3月25日に、ローリング・ストーンズが、首都ハバナで、キューバ史上初めてのロック・コンサートを開催しました。これは大規模なフリー・コンサートだったので、広大な野外会場に詰めかけた観客は120万人とも言われています。翌年2月WOWOWでライヴを放映するというので、私も早速録画して観ました。当時ミックは72歳。本当ですか？カッコ良すぎます！とにかく最高で見た目も文句なし、あちこち走り回って腰をクネクネやる、観客の前でやることなすことすべてが、誰もかなわない。他のメンバーも若々しいのですが、ミックの引き立て役という感じです。これで生きていけると思った中高年男子は、私だけではないはずです。

イギリスは階級社会ですが、ミックは2002年にナイトの称号をもらったのでサー・マイケル・フィリップ・ジャガーと呼ばれます。イギリス王室から、文化や芸能、スポーツなどで、大きな功績があった人たちに与えられるのがナイトの称号です。音楽界からは、ミック以外にもビートルズやエルトン・ジョンなどが授与されています。元ビートルズのポール・マッカートニーだって大麻所持で成田空港で逮捕されて、結婚は3回。エルトン・ジョンも2014年に、同性愛パートナーと結婚式を挙げました。イギリスって、面白い国だなって思いました。個人的にはイギリスが大好きです、アメリカよりも。

今年でミックは74歳ですが、日本の団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になる2025年はもう目前です。ここに2025年ショック！と言ってもいい恐ろしい数字があります。

2025年には5人に1人が75歳以上で、何と3人に1人が65歳以上の超高齢社会になると予想されています。国民1人あたりの医療費をみてみると、64歳以下は年間18万円ですが、65歳～74歳では55.4万円で、75歳以上だと90.7万円ですから、64歳以下のおよそ5倍に跳ね上がります。もっとすごいのは介護費で、65歳～74歳では年間5.5万円なのに、75歳以上だと一気に53.2万円に増えて、10倍近くになります。この結果、年金などを加えた社会保障費の全体では、2015年度は118兆円だったのですが、2025年度になると148兆円と予測されていて、約1.3倍に膨らむと考えられています。

でも、消費税増税はもう二度延期していて税金は確保できないので、今後は保険料や自己負担を上げるか、受けられる医療やサービスを切り詰めるかしか方法はありません。私たちの子供や孫たちの世代に、そのつけを回すことは避けなければならないと本当に思っています。みんな、覚悟はいいですか？

新潟市医師会報　2017年8月　第557号